20.21世界選手権 大会5日目


ポイントナー氏による4人の性格分析
おそらくスポーツの中で最も美しい瞬間といえるのではないか。一人一人全く違う個性を持った四人が一人ずつ戦いチーム優勝を勝ち取る。この場合はウォルガング・ロイツル、アンドレアス・ビドヘルツル、トーマス・モルゲンシュテルン、マルティン・ヘルバルトのことだ。「彼らは全く違う個性を持っている。でもお互いに良い影響を与えている。」とポイントナー氏は分析した。ポイントナー氏は99年〜02年までコーチの一人として働いていた。その頃から彼らとともに成功を収めたいと思っていた。「本当に小説にでもなりそうだよ。」特に極めて冷静なヘルバルトといつもセンシブルなビドヘルツルについてだ。ポイントナー氏が4人の個性について分析を試みてくれた。
"Der Phlegmatiker" - Wolfgang Loitzl(鈍重な人)
「彼は確かにここ3~4週間きっちり調子を上げてきた。Wolfiといるといつもこんな気分になるんだ。『彼は全く逆のことをしたいのかな。それとも今までと同じことをしたいのかな?』って。」ポイントナー氏は彼にもっと勝利への執念を身に着けて欲しいと願っている。「彼は歯を食いしばることを学ばなければいけない。彼には高いポテンシャルがあることはみんな知っている。それをスポーツ界で発揮するためにはもっと厳しくならなければならない。私は彼がそれに気づいてくれることを、これからも成長してくれることを信じている。」
"Der Sensible" - Andreas Widhoelzl (賢い人)
2児の父親であるビドヘルツルは4年前のリップブルガー氏の事故の影響を強く受けた。リップブルガー氏こそがビドヘルツルに自信を与えてくれた人なのだ。リップブルガー氏のことはひと時も忘れたことがない。「"Liss"はいつも僕らのそばにいるのさ。なぜなら彼は僕らに温かみを与えてくれたからさ。」ビドヘルツルはあの事故を乗り越え大きく成長した。この28歳のチロラーは「聖書をよく読むんだ。」と語った。「彼の成長は考え方やなんかだけでない。表情や身振りにも表れている。5年前の『 Sportprodukt Widhoezl』と、今の彼は全く違うビドヘルツルなんだ。」
"Der Ungeduldige" - Thomas Morgenstern(せっかちな人)
「彼はダイヤモンドの原石だ。彼には勝者に必要なメンタリティを既に持っている。そして彼は毎日何かを学んでいる。私たちはいつか彼に教えなければならない。歩んできたのは狂気の道なんだってね。彼はまだいろいろ学ばなければならない時期だ。あれこれ考えるんじゃなくってね。もし彼が何かを変えたいなら、明日からでも始めたい。」
"Der Selbstbewusste" - Martin Hoellwarth (自信の人)
「お手本のような選手だ。彼は成果に裏づけされた自信を持っている。私は彼がまだ高校生だった頃から知っている。そう、17歳でオリンピック銀メダルを3つ獲得したころからね。その後不調になったこともあるが、今2度目の全盛期を迎えている

ポイントナー氏に関して2週間前にポイントナー氏はKematenの家を引き払ってオーベストドルフへやってきた。今は妻のAngelaがインスブルクへの引越しに追われているところだ。「ワーカホリック」であるポイントナー氏が年中ジャンプに集中できるようにだ。Max(8) Nina(6) Paula(もうじき2才)の3人の父親であるポイントナー氏だが、時には携帯電話の電源をオフにして仕事に集中する。 初の大舞台で金メダルをもたらした。「厳しいトレーニングの成果だ。」と語った。
1971年に生まれ選手としてのキャリアはユニバーシアードでの団体優勝などがある。95年からチロル州のコーチを務め、99年からはナショナルチームのコーチも務めた。その後インナウアー氏にコンチネンタルカップを率いるよう命じられた。「それぞれの段階で良い経験をさせてもらった。リップブルガー氏やインナウアー氏からも多くを学んだ。」成功の秘訣のひとつにはノルディック部長であるインナウアー氏との協力関係にもある。「(インナウアー氏は)私のボスにあたる。でも全てのことをお互い徹底的に話しあい、解決策を見つけ出す。トニーの野心がなければ世界チャンピオンにはなれなかった。」インナウアー氏はポイントナー氏とともに前任者のレピステ氏の仕事も認めている。「(レピステ氏のときに)潜在能力をつけ、(ポイントナー氏が)それを開花させた。いつも良いコーチ陣に恵まれていた。」
「最初の試合を大成功させたが、24時間後には次の試合に向けて準備しなければならない。しかしこのチーム・スピリットがあれば同じような結果になると思っている。」とポイントナー氏は語った。