インナウアー氏も観戦

「全く・・」インナウアー・ノルディック部長は驚きを示した。「私は不安だった。サンモリッツでの高地トレーニングの後で燃焼してしまっているんじゃないかとね。」しかしクリストフ・ビーラーをはじめ、シュテヒャー、ゴットバルトはハンヌ・マンニネンにかなわなくとも予想以上の結果を残した。
インナウアー氏は興奮気味に語った。複合勢にメダルのチャンスがあるからだけではない。「彼らはメンタル面でのサポートを全く必要としていない。とても強い。選手としてとても大切なことだ。クロカンでは毎日個々の限界まで挑んでいる。」例えばミヒャエル・グルーバー。彼は決してクロカン型の選手ではない。しかし呼吸ができなくなるまで追い込んだ。「彼はジャンプでトップに立てることをわかっている選手だ。だが今は少しずつ転倒の恐怖から立ち直ろうとしている。そして今までよりクロカンが上達している。」
 ビーラーは現在複合選手中最高のジャンパーであろう。そしてゴットバルトはここ数年クロカンでは最強の選手の一人である。この差は彼らの筋肉の構造の違いにあるという。「フェリックスの筋肉は持久力に優れている為、ジャンプでの瞬発力に欠点を持つ。クリストフは全く反対のタイプだ。」彼らはダメージを最小限に抑えながら筋肉のバランスを模索している。おそらくその中間に属するのがシュテヒャーだろう。彼はかつてジャンプ型の選手だったが今ではクロカンの力をつけている。「彼は今シーズンクロカンで常にトップ10に入っている。もしジャンプが上手くいけば、五輪でのチャンスは十分にある。」とインナウアー氏。
 インナウアー氏は五輪に5名でなく6名を派遣することに決めた。「2人の補欠が必要なんだ。クロカン用のマテリアルチェックに必要だ。そしてもし選手が病気になったら??」風邪が最大の敵だからだ。