ビドヘルツル・インタビュー

五輪では19歳のモルゲンシュテルン、21歳のコフラーと新世代の若手がチームを引っ張った。オーストリアが団体で金メダルを獲得した2001年ラハティ世界選手権(ノーマル団体)はロイツル、ゴルドベルガー、ホルンガッハー、ヘルバルト。昨年の世界選手権ではロイツル、ビドヘルツル、モルゲンシュテルン、へルバルトで団体2つの金メダル。今回ロイツルとヘルバルトには出場の機会がなかったが、これまでオーストリアに多くの成果をもたらしてきた。特にヘルバルトとビドヘルツルのベテランはワールドカップで長い間活躍している。オーストリア初の五輪金メダルは今回出場した4選手だけのものではなくチーム全体の勲章だ。
29歳のビドヘルツルはこの10年でオーストリア最強のジャンパーの1人だろう1994年にワールドカップを転戦し始め、若手として、エースとして、そして今ではベテランのリーダーとしてチームを引っ張ってきた。ジャンプ週間総合優勝、ワールドカップ通算18勝、長野五輪ノーマル個人・団体と2個の銅メダル、世界選手権団体金メダル2個、フライング選手権銀メダル、そしてこのトリノ五輪金メダル。
Q:おめでとう!これで君もようやく五輪金メダリストだね。。。
Widhoelzl:いやぁ。これで全部そろったよ!世界チャンピオン、五輪チャンピオン。ジャンプ週間。長野ではとても調子が良かったけど、風に恵まれなかったんだ。僕はメダルだけが大切だとは思っていないけど、あるときはとてもつらくて、またあるときは全てが上手くいく。最後にはフェアな結果になると思う。
Q:あなたはまだ若いけどチームではベテランだね。でも他の3人に比べて喜び方が落ち着いていたね。。
Widohoelzl:昨年は世界チャンピオンで今回は五輪チャンピオンだよ。本当に素晴らしいよ。もちろん若い人にとては全てが新しいことさ。僕にとっても五輪金メダルは初めてだった。でも僕はすでにいくつかメダルを手にしている。つまり成功を繰り返しているからかな。
Q:でも人生最高の日でしょう?
Widohoelzl:いいや。スポーツでは最高の日といえるだろう。でも僕の人生にとって最高の日は子どもたちが生まれた日だよ。
Q:今日はコッホとあなたの調子が鍵を握っていたが。
Widhoelzl:僕らの目的はコフィとモルギィの二人に全てを負いかぶせないようにすることだった。僕はノーマルに関しては良いジャンプだった。みんな僅差だったしね。逆にラージは失敗してがっかりした。
Q:ジャンプ台のくせはジャンプにどのくらい影響するの?
Widohoezl:この台はとても素晴らしいさ。ただ僕にとって大好きな台ではないけどね。標高1600mに位置して、しかもいつも追い風。それでもチームに貢献できて嬉しく思う。個人戦のあといくつか変更した点があるんだ。1本目は上手くいかなかったけど2本目はきっちり決まった。
Q:1994年からワールドカップを転戦し始めた。その間素晴らしい成績を収めているが、もちろん調子の悪いときもあった。その悪いときをどのように乗り越えたのか?
Widohoelzl:調子の底辺は毎シーズン必ずやってくる。そしてその後は調子のピークも同様にやってくる。今年に限って言えば、フライングの後の札幌とヴィリンゲンだ。上手くいかなかったし、その理由のよくわからなかった。でもトレーニングするしかないんだ。
Q:コーチのポイントナー氏について
Widohoelzl:誰だって1人で全てを完成させることはできない。ポイントナー氏1人ではコーチとして機能しない。チーム全体のハーモニーはとても良いと思う。みんなが自分の仕事をこなし、有効に生かされている。そして僕ら選手の質も高い。いつでも上位に入れる能力を持っている。
Q:その素晴らしいジャンパーにはロイツルとヘルバルトも含まれている。しかし今回は影に隠れてしまった。どのくらい難しい状況か。
Widohoelzl:とても難しいと思う。だって世界選手権で団体金メダルを獲得したときに僕が出場していなかった時とは状況が違うからね。でも時間がたてばまた良くなると思う。残念ながら1チームのエントリーは4人だからね。もしチームに6名の同じくらいの実力の選手がいるといつだって難しくなる。僕はいつも出場できて嬉しく思う。得に団体ではいつも良いジャンプが出来ているしね。そしてモチベーションも高いんだ。
Q:オーストリア・スポーツ史の重要な要素になった。そして皆が熱狂している。あなたの印象は?
Widohoelzl:今日はすでに2つの金メダルをベニー(ライヒ)とミッキィ(ドルフマイスター)が、銅メダルをアレクサンドラ(マイスニイッツァー)とヘルマン(マイヤー)が獲得している。両方テレビでみた。とても嬉しかった。そしてその後が僕たちだ。でも歴史的かどうかを決めるのは統計家だよ。
Q:統計家だけ?これらの金メダルに国中が沸いているのに?
Widohoelzl:もちろん熱狂的になるさ。だってウィンタースポーツの国だってことは事実だからね。人口のわりにはトップ選手の数が多いからね。これはオーストリアのシステムが上手くいっているからだと思う。統計といったのはいつもこんなに成功するとは限らないからなんだ。もしかしたら次の五輪では今回以上の記録になるかもしれない。
Q:ここに残るか、それとも国に帰りたいか。
Widohoelzl:家に帰って家族に会いたいよ。だって2週間離れているし、この後またノルディック・トーナメントが控えているからね。また2週間だ。でも火曜の20時に祝勝会がある。もちろん嬉しいけどね。でも家が恋しいんだ。