「最後の数メートルはここ数年で最高の瞬間だった。」

「最終周で勝てるかなと思い始めた。」と28歳のシュタイラーはクーサモでのレース後に語った。1999年のラムサウ世界選手権2位のシュテヒャーのワールドカップでの勝利は1998年3月のファールン戦以来、およそ8年ぶり(!)の通算8勝目となる。
「粘り強さ」とクロメシェク・ヘッドコーチはシュテヒャーの性格を一言で現した。厳しい時期が何度もあったからだ。「でも彼はいつも自分を信じて真剣にトレーニングしていたね。」
 シュテヒャーがワールドカップで初優勝したのは1994年のホルメンコーレン大会、16歳の時だった。97/98シーズンまでに通算7勝を挙げ、99年のオーストリアでの世界選手権で2位に入っている。
 200年の3月に右膝の前十時靱帯を断裂している。それ以来怪我が続いた。世界選手権、オリンピックの団体でメダルを獲得したことも、世界選手権の代表から外れたこともある。「その間にもいくつか良い結果を残しているけど、かつてのような結果は残せなったよね。」彼は2003年の世界選手権団体金メダルのメンバーには入っていない。「もう辞めようかなと思った時期もあった。でも辞めずに努力してきたかいがあった。」
 「また勝ちたいとずっと思っていた。でも運も必要だし難しいよね。」この日はトップから37秒差の9位でクロカンをスタートした。クロカンの得意なマンニネンやゴットバルト、アッカーマンらはジャンプで大きく遅れをとっていた。
 しかし彼は極めて現実的だ。「今日勝てたことはとても嬉しい。今の自分は5-10位の実力だと思う。これからの試合でも安定した成績を残したい。」ジャンプで良い位置につけることが重要だ。

Q:ラムサウでの世界選手権で銀メダルを取った後2000年には前十字靱帯断裂の大怪我をしたね。その後も怪我が続いたけど、強さをどこから得ていたの?
Stecher:もちろん家族から。あとはスポーツをすることの喜びからかな。一度ブランクがあくとトレーニングはより厳しくなる。でも僕は喜んでトレーニングに励むよ。
Q:ワールドカップで優勝をみてしまうとオリンピックでも期待したくなるけど。。。
Stecher:もちろん一つ勝つともっと欲しくなるものさ。でも多くを期待してはいけない。僕は5-10位くらいの間に安定して入れるようにしたい。もしジャンプが上手くいけば充分可能な範囲だと思う。
Q:ジャンプの調子はどうなの?
Stecher:トレーニングではいつも安定している。でも本番ではなかなか上手くいかない。すぐに戻ってどこがいけなかったか確認しいている。
Q:オリンピクシーズンに向けて何かトレーニング方法を変えた?
Stecher:特に何も。ただまったく怪我がなく夏の間トレーニングに取り組めたかな。
Q:クーサモでは何かお祝いしたの?
Stecher:ちょこっとね。だって時間がないしね。今日(月曜)インスブルクへ戻り木曜にはまたトロンハイムへ向かうんだ。